【第31回】団信付き住宅ローンと相続税のポイントまとめ

節約・投資

団体信用生命保険付き住宅ローンとは

住宅ローン契約者が死亡または高度障害になった際に、保険会社がローン残高を肩代わり(完済)する保険が「団体信用生命保険(団信)」です。団信付きのローンでは、借入者が亡くなるとローンが保険で支払われ、家族はローンのない自宅を相続できます。この仕組みにより、遺された配偶者や子どもに経済的な負担を残さずに住宅を引き継げます。

私の場合は、北洋銀行住宅ローンの『ほくよう住実団信(就業不能信用費用保険)』に加入おり    以下の場合、住宅ローン残高がゼロになります。

死亡・高度障害補償・債務者が死亡したとき
・高度障害状態になったとき
※両目失明、言語・咀嚼機能を永久に失った等
常に介護を要する状態になったとき
リビングニーズ特約余命6ヶ月以内と判断されたとき
がん診断保険金初めて悪性新生物(がん)と医師から診断された時
※皮膚の悪性黒色腫以外の皮膚がん及び上皮内癌は除く
脳卒中+急性心筋梗塞保障・急性心筋梗塞、脳卒中を発病し手術を受けた時
・急性心筋梗塞を発病し、60日間以上の労働制限を必要とする状態
・脳卒中を発病し、60日以上言語・運動障害、麻痺などの後遺症が継続した時
5大疾病保障(糖尿病・高血圧性疾患・慢性腎不全・肝疾患・慢性膵炎)次のすべてを満たす入院を継続して180日以上となるとき
①責任開始日以後に発病した重度疾病での入院
②治療を目的とした入院である
③病院または診療所に入院である
全疾病保障就業不能(※)の状態が180日以上継続した時
※入院・治療を受けており、いかなる業務にも全く従事できない状態

筆者を例に考える

・前提:私は妻との二人暮らし共働きで、住宅ローン債務者は私

妻が死亡・高度障害等になった場合→住宅ローンは継続支払い続ける必要がある。

私が死亡・高度障害等になった場合→住宅ローン残高は保険会社から支払われる(=ローンが無くなる)

・妻が死亡・高度障害等になった場合に私1人でローンを支払う必要があるため、妻に生命保険を掛けて備える必要がある。

・私が死亡した場合は住宅ローンが無くなるため、それ以外の生活費に困らない程度の生命保険を私掛けるか生前に貯金等で備えておく必要がある。

相続税の基礎控除と配偶者控除

相続税

相続税は相続財産の合計額から「基礎控除」を引いた金額に課税され、基礎控除額は「3000万円+600万円×法定相続人の数」です。基礎控除内であれば税金はかかりません。また配偶者には「1億6000万円または法定相続分まで非課税」という優遇措置があります。つまり、配偶者が相続する遺産がこれらの範囲内であれば、相続税は課されません。

相続人について国税庁HP、配偶者特例について国税庁HP

筆者を例に考える

・法定相続人が妻と両親(相続人第2順位)の場合、基礎控除額は

基礎控除額=3000万円+600万円×3人=4800万円

・妻の場合、配偶者特例が適用され

1億6000万円 OR 法定相続分

まで非課税となります。法定相続分とは今回の妻の場合は相続資産の50%となります。(残り50%は両親に25%ずつ相続される)

なので、

(相続資産×50%)< 1億6000万円 ⇒最大控除額は1億6000万円

(相続資産×50%)> 1億6000万円 ⇒最大控除額は(相続資産×50%)

実際、1億6000万円以上の相続資産はありませんので、基本的に相続税は無課税になります

小規模宅地等の特例

被相続人が住んでいた自宅用の土地には、相続税評価額を最大8割減額する「小規模宅地等の特例」があります。自宅の相続税負担を大きく軽減できる制度です。主な適用要件は次のとおりです:

• 居住用宅地の要件:被相続人(または配偶者)が居住していた土地で、相続人が引き続き居住する予定であること。

• 家なき子の特例:被相続人と同居していなかった子でも、相続時に他に住む家がなく、相続後にその実家を居住用にする場合に特例が認められることがあります。

以上の要件を満たせば、居住用宅地の評価額は8割減額(評価額の20%で課税)されます。

筆者を例に考える

・私が死んだ場合は、妻が相続するのですでに説明した通り1億6000万円以下は無課税になります。

私と妻が同時に死んだ場合、子供がいませんので、家の相続権は私の両親(相続人第2順位)>兄弟(相続人第3順位)となります。この場合、両親(自宅あり)が相続する場合は小規模宅地等の特例が適用出来ない為、兄弟のうち自宅を持っていない方が相続するのが一番税金が取られないことになります。

二次相続への対策

一次相続(例えば夫の死亡時)で配偶者が財産を相続しても、その後に配偶者が亡くなる二次相続では相続財産がさらに増加し、税負担が重くなる恐れがあります。二次相続に備え、一次相続の段階から以下の対策を考えておくとよいでしょう


• 生前贈与:毎年110万円までの贈与は非課税枠があり、子どもへの財産移転で相続税のもとになる財産を減らせます。


• 遺産分割の工夫:不動産や現金の分配方法を相続開始前に検討し、相続税の納税資金も含めて円滑な分割を進めます。


• 生命保険の活用:死亡保険金には「500万円×法定相続人の数」まで非課税枠があり、相続税の納税資金や家族への資産移転手段として利用できます。

これらの制度や対策を活用することで、相続に伴う税負担を軽減し、家族に負担のない円滑な相続を実現できます。

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